こんな悩み、ありませんか?
「DXを進めようと思って、会計ソフトやチャットツールを入れてみた。でも、思ったほど現場に浸透しない」「ITに詳しい社員に任せているけれど、いまいち前に進んでいる気がしない」
経営をされている皆さまから、こうした声をよく耳にします。実はこの悩み、ツールの選び方や予算の問題ではないことがほとんどです。鍵を握っているのは、社長であるあなた自身がどう関わるか、なのです。
この記事では、「経営者の本業」という視点からDXを見直すことで、なぜ社長が動かないとDXが進まないのか、そして今日から何を始めればいいのかをお伝えします。
経営者の「本業」とDXは、実は同じ場所にある
「うちの会社の本業は何ですか?」と聞かれたら、何と答えますか。
「製品をつくること」「サービスを提供すること」と答える方が多いのですが、実はこれらは事業を成り立たせる「手段」です。経営者としての本当の本業は、もう少し根っこにあります。お客様に価値を届け続けること、社員を育てて力を発揮できる環境をつくること、変化に対応しながら判断を重ねること、そして未来に向けて投資し挑戦すること。この4つが、業種を問わず経営者が担うべき本業だと言えます。
DX(デジタルトランスフォーメーション、つまり「デジタルの力を使って仕事のやり方や会社のあり方を良くしていくこと」)は、この本業とまったく別の話ではありません。むしろ、本業をもっとうまく果たすための「道具」です。会計ソフトをクラウド化する(自分のパソコンだけでなく、インターネット上の安全な場所にデータを置いて、どこからでも確認できるようにする)のも、紙の台帳をパソコンに移すのも、すべて「本業をより良くするため」という目的があってはじめて意味を持ちます。
例えば、金沢には工芸や食、観光といった「人の温かみ」が価値の源になる商売がたくさんあります。そうした会社が「お客様にどんな価値を届けているか」を見つめ直さずにシステムだけを入れても、空回りしてしまいます。ツール選びから始めると、DXは迷子になります。先に「我が社の本業は何か」を社長自身が言葉にすることが、最初の一歩なのです。
なぜ「社長が動く」ことがDX成功の分かれ道になるのか
経営者の本業がはっきりしていても、それだけではDXは進みません。もう一つ欠かせないのが、社長自身の関わり方です。理由は二つあります。
一つ目は、社長が新しい道具を実際に使う姿が、社員の背中を押す一番の力になるからです。「社長が言うだけで自分は使わない」道具を、社員が積極的に使うことはまずありません。逆に、社長が先に試して「これは便利だ」「ここは難しかった」と話す会社では、社員も自然と前向きになります。
二つ目は、現場の不安や戸惑いが社長に届くかどうかです。DXがうまくいかない会社でよく聞くのが、「システムを入れたのに、現場が使ってくれなかった」という話です。よく聞いてみると、現場の社員は「使いにくい」「前のやり方の方が早い」と感じていたのに、社長に伝えられずにいた、というケースがほとんどです。その裏には、たいてい「こんなことを聞いていいのかな」と現場が言い出せなかった事情があります。
これを、焚火を囲む場面に例えてみましょう。焚火の周りでは、役職や肩書きに関係なく、誰もが自然に言葉を交わせます。社長が「正論」や「結論」を急がず、社員の小さな疑問や弱音を歓迎する姿勢を見せること。それが、DXを支える一番の土台になります。
ITに詳しくなる必要はありません。「一緒にやってみよう」と先頭に立てるかどうか。それが分かれ道です。
大きく変えるより、毎日少しずつ
もう一つ大切な考え方があります。それは「一気に変えない」ということです。
いきなり大きなシステムを導入するのは、運動をしていない人が、初日から重いバーベルを持ち上げようとするのに似ています。無理をすれば、現場の混乱や失敗(いわばケガ)につながりかねません。
筋トレと同じように、小さな負荷を毎日少しずつ積み重ねることが、結果的に一番効果を生みます。紙の管理表をパソコンのファイルに置き換える。社内の連絡をチャットアプリに一本化する。そうした小さな一歩を社長自身が率先して試し、3か月後・1年後に振り返ってみると、思った以上の変化を実感できるはずです。大切なのは、完璧を目指さず「今日1つだけ改善する」を続けることです。
今日からできる、4つの小さな一歩
最後に、今日からすぐ始められる4つのアクションをご紹介します。
- 自社の「本業」は何か、自分の言葉で3つだけ書き出してみる。難しく考えず、「お客様にどんな価値を届けているか」を思いつくままに書いてみるだけで十分です。
- 今の業務の中で、一番時間がかかっている作業を1つ選ぶ。「忙しい」が口癖になっている業務ほど、改善の余地が隠れています。
- その作業について、無料で試せるデジタルツールを社長自身が1つ使ってみる。完璧な導入は不要です。「まず試す」だけで十分な一歩になります。
- 月に1回、役職に関係なく本音を話せる30分の場(いわば「焚火会議」)をつくる。答えを出す場ではなく、気づきを生む場として、ゆるく続けてみてください。
DXは、特別なIT投資ではありません。経営者であるあなたの本業を、より良く果たすための道具です。まずは一つ、社長自身が動いてみることから始めてみませんか。
株式会社一期大福では、このような経営者の本業に寄り添う伴走型のDX支援を行っています。気になる方は、お気軽にお声がけください。
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